和牛繁殖農家を後押し
市場搬入や給餌
「城北地区和牛ヘルパー利用部会」
城里町の加藤木 直さん(61)は,農業共済を退職後,繁殖和牛農家の勝村 忠次さん(56)とともに「城北地区和牛ヘルパー利用部会」(部会員数24人)を運営し。家畜市場内外への牛の搬入や給餌作業などに励んでいる。
城里町は農業が盛んだが,農業従事者の高齢化は進み,和牛繁殖農家の高齢化による離農は深刻だ。城里町と旧御前山村の城北地方は,昔から繁殖和牛が盛んで,最盛期は500戸の農家が営んでいた。1992年頃には370戸に,現在では24戸にまで減少している。
加藤木さんは,1993年城北地方広域事務組合農業共済課に在職時の93年,「城北和牛の灯を消すな」をキャッチフレーズに地場産業の和牛繁殖を営む農家の減少を食い止めようと,ヘルパー部会を設立した。
高齢でも繁殖和牛を飼育することはできるが,市場への搬送ができず離農する農家も多かった。ヘルパー部会が市場への搬入を行なうことで,農家からは「ヘルパー部会のおかげで牛の飼育を続ける
ことができる」との声も挙がる。また,部会員が冠婚葬祭などで不在時には,給餌作業を代行し喜ばれている。
ヘルパー部会では,子牛の免疫力向上を図り,丈夫な牛を作ることを目的に,無料で冷凍初乳を配付するサービスも行う。加藤木さんは,これからの和牛繁殖農家への新規就農は見込むことは難しいと考えるが,「少しでも長く現状が維持できるよう頑張っていきたい」と話す。

